シスターとヴァンパイア　4巻　感想☆

シスターとヴァンパイア4巻の感想です 

 

シスターとヴァンパイア　4巻　暁 先生　著

多少のネタバレが含まれますので ご注意ください。

 

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エルナとリヒターが目指す 山向こうの教会を、自分の「巣」だと言った 謎の青年。

彼の正体は、魔力で狼を自在に操る 吸血鬼でした。

目的の教会へと 急ぎますが、手負いのリヒターでは 彼から逃げることができず、

またしても エルナとリヒターは窮地に陥ってしまいます。

しかし その時、1人のシスターが 止めに入り―――！？

 

 

「シスターとヴァンパイア」最新刊の第4巻、Renta！さんで お借りしました 

エルナの恩人で 憧れの人、シスターアリシア様は 凛としていて美しく、温かい瞳の とても素敵な方ですね。

厳しくて 優しい態度の中に、エルナへの 確かな愛情を感じます。

アルバートを「大切な家族」だと言う アリシア様と、アリシア様を守るために戦おうとしたアルバートは、

エルナとリヒターのような関係だなぁ、と すごく思いました。

やっぱり アリシア様とエルナは似ていて、だからこそ なのでしょうね。

でも、「ハウス」と命令して アルバートを完全に犬扱いしてる辺りから分かるように、

アリシア様は エルナよりも、ずっとずっと 逞しい女性です。

 

行方不明だったエルナの心配をしてくれて、リヒターを“ひと”だと言ってくれた アリシア様。

エルナの密かな決意を すぐに見抜いてくれるところも、さすがの包容力でしたね。

だけど そんなアルシア様でも、エルナにかけられた『呪いの言葉』は なかなか消せず……。

ユリウス神父の元へ エルナが戻ってしまったかもしれない、と誤解した時の リヒターの反応、

大怪我を負っているのに、必死で裏山までエルナを追いかけた リヒターの様子は、

エルナに対する気持ちが「所有物」なんかでは ないことは、明らかでした。

まだリヒターは 「所有物」という言葉でしか、執着する気持ちを説明できなかったのでしょうね。

そして、素直な気持ちを 言葉にできないのは、エルナも同じ。

幻覚の花によって エルナの不安な心を、リヒターも知ることになるとは 切ないですね…。

だけど、エルナが壊れることへの 恐怖を感じていたリヒターからは「心」を感じ、嬉しくもなります。

 

 

みんなを不幸にしたくないから みんなを遠ざける、昔のエルナ。

幼い頃から エルナは優しい子。…でも 同時に、自分の気持ちを隠してしまう 不器用な子。

そんなエルナを救ってくれた アリシア様は、吸血鬼という存在に対しても とても理解があって、

エルナとリヒターの関係を、まるで母のように温かい心で 守ろうとしてくれているな、と思いました。

それは エルナへの愛情があるから、ということは もちろん、

アルバートが アリシア様へ、いびつでも 素直に愛情表現をしてきたことによって、

吸血鬼とも解り合える と、アリシア様は 知っていたからかもしれませんね。

アルバートは、リヒターとは あまり似ていないせいか、吸血鬼っぽくないかも？って印象でした。

シスターであるアリシア様を 心から慕い、そして それを隠さないアルバート。

きっと、アリシア様との出会いが 彼を変えたのでしょうね 

 

アリシア様にとっては、エルナは まだ手の掛かる子供のようなもので、

2人の母子のような やりとりは、何だか ほっこりしちゃいます。

リヒターと『離れたくない』という気持ちを エルナに自覚させてくれたのは、アリシア様。

そして、『離れたくない』という言葉は 言ってもいい言葉なのだと、分からせてくれた リヒター。

エルナが 不幸の言葉を乗り越えることができて、リヒターから離れる決意は 消え去ってくれて、

すごくすごく ホッとさせてもらえました。

 

 

アリシア様とアルバートの関係は とても面白いですね。まさしく、わんこと ご主人様！！ 

あんなに怖そうな 怒ったアリシア様に、「可愛いね」と言えるアルバートは さすがです。

しかも、アルバートさんは 穏やかな方……と見せかけて、実は そんなことなかったり。

本当の笑顔を向けるのは アリシア様にだけ、なのだろうなぁ。

エルナへ ものすごい圧をかけていて、アリシア様以外には 割と容赦がない！って思いました。

リヒターの躾 なんて簡単な話ではないのに！！ リヒターは 結構、ああ言えば こう言うタイプですし。

そんなリヒターに、エルナから「一緒にハウス」という言葉が飛び出るとは予想外で 面白くて、

とても エルナらしい気もして、キュンキュンしちゃいました 

 

アリシア様とアルバートに見送られて 旅立ったエルナとリヒターは、これから どうなっていくのか、

協会や ユリウス神父のことを考えると、心配は尽きません…。

しかし、リヒターが エルナのことを「所有物」とは表現しなくなっていたから、

ここから2人の関係が どのように変化していくのか、楽しみも尽きません 

本気になったリヒターを 早く見たいですね！ できれば 嫉妬以外で！

次の5巻が 待ち遠しく感じてしまいます！！