彼女はまだ恋を知らない5巻の感想です
彼女はまだ恋を知らない 5巻 藤沢 志月 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください。
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ネタバレ大丈夫ですか?
ついに完結となった 第5巻。まさに、感動の最終巻だったと感じます。
空太と杏奈の逃避行、遠く遠くへ やって来た先で出会ったのは、とある民宿の主。
彼は、昔 杏奈の母、杏子さんを 外へ連れ出した、あの絵描きだったのですね。最初 気づきませんでした。
好きな男を守るため 姿をくらませた杏子さん。その手伝いをしてくれた 高杉さん。
「―――たいして気にもとめていなかったはずのことが 歳をとると 姿を現したりするんだよ
あのとき彼女がとれた行動は 本当に 逃げる以外なかったのか」
杏奈が 杏子さんによく似ていて、空太からは 瀬能さんと同じ雰囲気を感じたため、
高杉さんは「昔のシコリ」を思い出したのかな、という気がします。
3人が出会ったことと、自分の無力感に苛まれていた空太の気持ちが 高杉さんの言葉で変わったこと、
偶然だけど なにか特別な、運命的なものを感じました。
その上で、空太も杏奈も 高杉さんが話した「女」が、杏子さんだとは 知らないまま、
高杉さんは 杏子さんが亡くなっているとは、恐らく 思いもしてないまま、
空太と杏奈が 宿を去ったところに、もどかしいような 嬉しいような、不思議な気持ちになります。
2人が帰る時、高杉さんの挨拶が「また おいで」といった言葉ではなく、
笑って「元気で生きろよー」だったことが、すごく心に残りました。泣きそうになりました。
「正面から 清和家に向き合うよ 杏奈と一緒にいるために!」
「私も逃げない 空太と一緒に たたかう…!」
屋敷に戻った 空太と杏奈は、宿で約束したとおり 逃げずに向き合い、たたかっていて カッコよかったです。
空太は 間違ったことをした。でも 後悔はしていない。大切なことが わかったから―――
逃避行の1週間があったからこそ、「杏奈を幸せにするのは 俺です!!」と 言えるようになりました。
それでも、瀬能さんに 許してもらえない中で、杏奈が言った言葉が「私達は逃げない」だったことに、
ものすごく 感動します。この辺りから 普通に泣きながら読んでたなぁ…。
龍也と麻美さんが協力してくれたことで、東條寺家と清和家の 縁談の話は御破算。
似た者同士の こちらの2人も、とてもカッコいい活躍を 見せてくれますね!!
そして、空太のおじいちゃんが明かしてくれた、旦那様の 本当の願いに、号泣です……。
実は 杏子さんと瀬能さんの関係を感じとっていて、東條寺との縁組に 固執していた訳ではなかった旦那様。
「杏子の幸せのためなら いくらでも頭を下げるよ!」
この作品は みんな優しい人ばかりで、中でも優しい人が 旦那様だと思います。
そんな優しい旦那様の 願いを知り、ついに 空太のことを認めてくれた瀬能さんも、
空太の能力の話ではなく、「お嬢様を幸せにする覚悟」を確かめるところに、深い優しさを感じました。
清和家に ふさわしい人間になるため、イギリスに旅立つ 空太。
おじい様の期待以上の 立派な跡継ぎになるため、東京に行く 杏奈。
「すごく離ればなれになるけど…… 平気か?」
「空太と一緒の未来を信じられるから 大丈夫!!」
遠く長く 離れることになった2人だけど、それぞれ すごく頑張って、理想の自分に 近づけたと思います。
そして、空太と杏奈の 結婚式、とても とても感動的です…!!!!
麻美さんも来てくれて、ついに 杏奈が自分の娘だということを知った瀬能さんは、
昔 杏子さんが言っていた言葉の、本当の意味を知り、涙を流します。
それが また、読んでいる こちらも泣かずにはいられない!!
シリアスなお話の作品ですが、空太と杏奈の 希望に溢れた笑顔でラストを迎え、
感動の涙を流しながら 読み終えることができました。
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