フルーツバスケット another 3巻の感想です
フルーツバスケット another 3巻 高屋奈月 先生 著
ネタバレありの感想ですので、ご注意ください!
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夏休み、草摩家の別荘にやって来た 彩葉。もちろん、みんな 歓迎してくれます。
これまで こういった集まりには、顔を出さなかった 志岐も来てくれて、彩葉は とても嬉しそうです。
しかも、2人きりで 水族館に行くことになり、楽しい時間を過ごせた 彩葉と志岐でした。
あっという間に 夏休みは終わり、新学期が始まって 学園祭の準備が始まります。
そんな時 彩葉は、小学校の頃の友人と再会し 衝撃的な事実を知ることに―――
彩葉のお母さんは その友人に対して、彩葉が知らないところで 難癖をつけていたらしいのです。
だから友人は 離れていったのだと知り、母親に 強い不信感を抱く、彩葉。
さらには、彩葉の学校の会長が「草摩」だと知った 母親は、何やら 意味深な発言を…。
彩葉は ひどく青ざめながら、睦生と はじめに、母が 草摩に迷惑をかけたことはあるか、尋ねます。
すると、睦生は これまで黙っていたことを、全て 教えてくれました。
「…三苫さん 以前 事故で腕を怪我した事があるって 言ってたでしょう? その事故の時に
草摩の子が 居合わせてたのを 覚えてる?」「志岐だよ 居合わせたのは」
彩葉は 記憶が断片的で、何も知りませんでした。母親が 小さな志岐を訴えていたことなど……。
志岐が突き飛ばして 転落させたのだと言って、多額の賠償請求を草摩にしていた 彩葉の母親。
現在 賠償云々の問題は綺麗に解決済み、とのことですが、彩葉は 悔し涙が止まりません。
自分の母が 何を考えているのか、分からない彩葉に 帛さんは言葉をかけてくれます。
「親であろうとも 人生を脅かす存在からは 逃げていい 振り返らずに 逃げていい
「自分」を守っていいんだよ」
志岐と話がしたい、そう言った彩葉には 笑顔が戻っていました。
彩葉は 志岐に、ずっと忘れていたこと、母が最低な事を したことを、謝ります。
すると、「昔の一件でひどく傷つけてしまったのなら 申し訳ないです」と 志岐も謝りました。
「最初は 素通りしたんです あの日 あの日は…所用で出ていて
行きに見かけた人が 帰路の際にも そこに居て
一度帰宅は したのですが すぐに戻りました とても気になったので」
「泣いていたので 気になりました」
「行きも 帰りも ずっと 泣いていたので」
恐らく 雪で滑った彩葉を助けるため、救急車を呼んだ 志岐。
志岐が関わったのは そこまでであって、彩葉の親とのイザコザは 特に気に留めていません。
ただ志岐は ずっと、彩葉に 辛いことが、また泣くことが、続くのではないか と心配してくれていたのです。
『もう もどってこないモノが沢山あって つらい事も 泣く事も 沢山あって
奪われて 傷つけられて 悔しくって 許せない許せない絶対に許せない
けど だけど それでも 下を向いて大切な何かを見失うのは もう嫌だ』
彩葉は 泣きながら、志岐に 感謝の言葉を伝えました。
あの日の「私」を 見つけてくれて、知っておいてくれて、『ありがとう』と―――
現実は とても厳しく、彩葉の帰る家は 変わらないですし、草摩の人たち みんな、
変えられない 何かを抱えて、大変な日々は 続いていくのだと思います。
それでも きっと、彩葉たちは「一人じゃない」のだから 大丈夫だと、
そう信じることができる 素晴らしい結末だったなぁ、と感動しました。
彩葉と志岐が お互い相手に、特別な感情を抱いていることが 伝わってくるシーンには、
キュンとせずには いられません!! もし 続きがあるとしたら、ぜひ 読みたいです!!