ベツコミ7月号の青楼オペラ46話の感想です
青楼オペラ 第46話 桜小路 かのこ 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
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ネタバレ大丈夫ですか?
単行本派の方、まだ発売されていない 11巻の内容を書いていますので、ご注意ください。
家が隣同士だった 朱音と誠二郎は、庭の奥 植え込みの陰で人目につかない秘密の場所で、
初めて会った その瞬間から、お互い 惹かれ合っていたのですね…。
塀の破れ目に通い こっそりと愛を育てた日々のことは、きっと 朱音にとって、
惣右助と結ばれても 忘れずにいたい、甘酸っぱくホロ苦い 大切な思い出だったのではないでしょうか。
「…誠二郎様は 私たちの婚約が破談になっていたことを ご存じだったのですね」
「え あぁ いつだったか 父から聞かされました
黙っていて 申し訳ない …いや できるならば 貴方には知られたくなかった それが本音です」
誠二郎は 何も気づいていませんでしたね。そんな嘘、もう朱音に 通用するはずがないこと―――
あの夜 失くなっていた、父の刀が 誠二郎の部屋の床下から見つかっている、そして、
何よりも絶対に間違いようのない 犯人である証、三日月の痣が 誠二郎の服の下に……!!
まさか、まさか あの夜の賊の正体が、誠二郎だったなんて…。驚きましたし ショックでした…。
しかも 誠二郎は、実の父に 毒を盛っていた、ということですよね? まさか 兄も!?
誠二郎の本性が これほど恐ろしいものだったなんて、信じたくありませんでした。
婚約が破談になり 撤回されたことを、なぜ 誠二郎は知っていたのか。誰も言っていないはずなのに。
その疑問が浮かんだ瞬間、朱音は 気づいたのですね。賊の正体に……。
「…父上が なぜ私たちの婚約を解消なさったのか あの潔癖なご性格を考えれば 自明のことでした
中村の不正に加担した家の者を 婿に迎えるわけがない―――
貴方なら! 貴方なら 全て説明がつく」
婚約が正式に解消されたのは 朱音の父が命を落とした日、そのことを知っているのは あの夜、
朱音の父に 会った者だけ。そして 永倉の家に出入りしてた上に、「秘密の場所」を知っていた 誠二郎なら、
当主の部屋に辿り着き 背後から襲い、まんまと 逃げおおせることができる―――
朱音の知りたかった 真実は、あまりにも 残酷でした…。
「…上役の 命に背けぬことが罪か 小さな瑕疵する赦せぬ狭量さは さすがお目付と言うべきか…
そうまでして 我らを引き裂いた お父上が悪いのですよ」
「あの夜 月を背にした 私のほうからは 貴方の姿は よく見えていましたよ
親の骸を前に 青白い顔をした貴方は 息を飲むほど 美しかった
斬るには惜しいと 私の顔は影になって わかるまいと 見逃して差し上げたのです
それなのに 貴方はなぜか このような悪所に沈み
あまつさえ 知らなくてよいことまで暴くような真似を…
いえ 私は気にしませんよ このまま口をつぐんで 私の妻になるというのなら
下賤の水に浸かった女郎上がりであれ 大切に その爪や牙を抜いて躾けてやりましょう」
誠二郎は、心の奥底から 朱音を愛しているのですよね……。気が狂ってしまうほどに。
自分が悪いのではない、朱音が 惑わせたせいなのだと、朱音という 美しい疫病神のせいだと、
本心から そう思っているのだろう誠二郎の目が、怖くて怖くて 仕方がありません。
きっと 朱音も、ものすごい恐怖心に襲われていたことでしょう…。
惣右助と利一郎と真木村先生が助けに来てくれて ホッとしましたし、惣右助の 誠二郎を見る目が、
明らかな軽蔑の眼差しになるのも 当然のことだと感じます。
誠二郎の、朱音への愛は 異常です……。歪すぎて、不気味です……。
「朱音殿 愛しています
私はおそらく 首を刎ねられるのでしょうが その最後の瞬間まで貴方を想っています
そして 草葉の陰から ずっと貴方を見ていますよ」「ずっと」
「ではさらば 私の愛しい 疫病神」
すべて 終わった。でも、朱音の心は 誠二郎の「疫病神」という言葉に縛られてしまった―――
そうなることを狙ったから、朱音が 自分を責めてしまうことを分かっていたから、
連行されているにも関わらず、誠二郎は あんな満足そうな笑顔を浮かべていたのでしょうか…。
朱音の心を 癒すため、誠二郎のことを 忘れさせてあげるために、一刻も早く、
惣右助の側で 穏やかに暮らしていける環境を整えることが必要で、
近江屋の若旦那である 惣右助なら、それが可能……だと思っていたのに!!!!
「若旦那 大変です」「棄捐令です 棄捐令が出ました…!!」
札差が大打撃を受ける 棄捐令、つまり今度は 近江屋の存続の危機!!??
朱音の身請け金を用意することなど 到底できなくなってしまった、ということですね……。
一体、朱音と惣右助の運命は どうなっていくのでしょう。次回が 気になり過ぎます!!
ベツコミ8月号 青楼オペラ 番外編
今月号は 番外編!! 身請け金のことで 親父殿に膝を折って頼み込んだ、翌日の惣右助のお話、ですね!!
近江屋の若旦那として、立派に働く惣右助の姿…… カッコいい~
以前は、下の人がミスをすると 大きな雷を落としていたみたいだけど、
朱音を 妻にすると決めてから、変わったみたい???
ただ厳しいだけではなく 愛情を持って叱ってくれる若旦那、理想の上司だと思います
随分と値の張る おねだり…を許してくれた、優しい お父さんのためにも、
これから嫁いでくる 朱音のためにも、近江屋を もっともっと大きくしようと、
惣右助は 張り切らずにはいられなかったのでしょうね。
近江屋の旦那様が、惣右助の 初のおねだりを、何だか 嬉しそうにしてくれていたことには
ほっこりしちゃいましたし、菊之丞も「月ィ手に入れやがったな!」と 喜んでくれたのに、
この後 惣右助に待ち受けているのは――――――
『ただ 祈るだけだ』『これが 夢の如く 消えちまわないように』
果たして、近江屋は どうなるのか、惣右助と朱音が一緒になる未来は 消えてしまうのか……、
ますます 続きが気になります…!!!!
本編再開の次号が 本当に待ち遠しいですね。47話を 早く読みたくて仕方ありません。