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デザート5月号の ゆびさきと恋々 17話の感想です

ゆびさきと恋々 sign.17 森下 suu 先生 著

ネタバレありの感想です。ご注意ください!

逸臣さんは 桜志くんを、「国際サークル」の部室へ連れていきました。

他に誰もいない部屋で、好きなパンは? 好きな学食は? サークル入ってる? 何学部? などと質問攻めする 逸臣さん。

質問の意図を読み取れない 桜志くんが 何も答えず、「俺 あんたの事 正直嫌いだし そんな奴と情報の共有なんか したくもねー」と 怒ると―――

逸臣さん
「教えろよ 俺のどこが どんな風に嫌いなのか」
桜志くん

「あんたのメンタル どうなってんだよ」

「つーか 俺 用事あるんで」

逸臣さん

「あーあ なんだよ おまえの事 名前しか知らねーんだけど」

「あとは  雪の事 好きなんだろ」

桜志くん
「………  そんなんじゃねえ…」

駅で挑発してきたり、ろう者である雪を 夜遅くに呼び出す 非常識なところが、嫌いだと告げる 桜志くん。

それで もう話は終わったと思い 帰ろうとするのですが、逸臣さんの中では まだ終わっておらず、「19時に森町のバス停に来い」と言います。

逸臣さん
「来たら なんでも  言う事聞いてやるから」
桜志くん
「… なんでも…」

   ……

逸臣さんと桜志くんは、ふたりで 京弥さんのお店へ行きました。

ぶすっと あからさまに不機嫌そうな態度の 桜志くんに対し、逸臣さんは 自分から歩み寄る姿勢を 見せ続けます。

一緒にビールを飲み、桜志くんからの質問に 逸臣さんが素直に答え、友人同士のような会話もできました。

しかし、まだ桜志くんは 逸臣さんに心を開いたわけではありません。

逸臣さんが 酔っぱらった桜志くんのことを心配して 「おーい 桜志―?」と呼びかけると……

桜志くん

「―…おまえ  こっち来んなよ」

「入ってくんな」

逸臣さん
「何?」
桜志くん
「手話覚えたら あいつが簡単に落とせると思ったか?」
逸臣さん
「……」
桜志くん
「俺はそんな浅ましい理由で手話始めたんじゃねぇ」

『手話を  すれば  している間は』

『あいつが  こっちを見るんだ』

『まわりが  騒がしくても』

『邪魔されない そこだけの世界があって』

『まるで 自分達だけの暗号みたいで』

『そこから  生まれる表情も 感情も』

『口で話すのと 何も変わりもないのに』

『特別に見えて  手話に はまっていった』

ひとりで歩いて帰ろうとする 桜志くんでしたが、ピタ と止まり、「忘れてた」と 口を開きます。

桜志くん
「なんでも言う事聞くんだったよな」
「別れろよ  雪と」
逸臣さん

「…  あのな 別れるって 俺一人じゃできないんだけど」

「雪が俺と 別れない」

自信があるわけじゃなく、信頼関係を築いていくため 行動で見せていきたい、という 強い意志を持っている 逸臣さん。

雪と出会えた喜び、いつどこで出会ったとしても 雪を選んでいくこと―――

桜志くんを 真っ直ぐに見て、逸臣さんは 語りました。

すると 桜志くんは、ズンズンズンと 逸臣さんに近づき、軽くバシッと 逸臣さんを殴り、そして 自分の想いを 吐き出します。

桜志くん

「俺は  つきあってる奴がいるのに 奪うとか 好きじゃねぇんだ」

「さっさと終われ」

逸臣さん
「もっと雁字搦めだと思ってたけど  一本解けると 早そうだな」

力が抜けた 桜志くんの目から、ボロボロと 涙がこぼれてきました。

気持ち悪い… のに、気持ちが かるくなっていく、桜志くん。

逸臣さんは 桜志くんの頭を わしわしと撫でて、「なんか… おまえの事 嫌いになれねぇな」と言います。

桜志くん

『なんだこれ… 反撃する力も出てこねぇ…  けど』

『このままで いられるか』

なで回してくる 逸臣さんの手を振り払い、桜志くんが 宣言!!

―…あいつを 泣かせたりするような事あったら そん時は 男がいようが関係ねぇから、と。

逸臣さん
「だから 泣かせねーって」
桜志くん

『俺が 変われるのか 変わったのか』

『とにかく』

『こいつにだけは 負けたままじゃ終われねぇ』

桜志くんが好きなパンは、逸臣さんと同じ カレーパン。

ふたりの間にあった溝が埋まり、互いの理解を深めることができた 特別な日になりました――――――

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