蒼竜の側用人 4巻感想☆

2018年6月12日

蒼竜の側用人4巻の感想です

蒼竜の側用人　4巻　千歳四季先生　著

多少のネタバレが含まれますのでご注意ください。

　別窓で記事がでます

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ハイネダルクの手によって攫われ、“竜の顎”へと連れられたルクル。

怪我をしているハイネを放っておくことができないルクルは、

治療する代わりに竜の呪いについて教えてほしい、とハイネに言いました。

ルクルは、何とかハイネのペースに飲まれないように…と必死です。

「まぁ　お前が何をしようと興味がない勝手にしろ

だがそれで俺がお前の望むことを教えるだなんて期待しないことだな」

恐怖をこらえて、ルクルはハイネの手当てを始めます。

『気を緩めちゃダメ　怖いと思ったら動けなくなってしまう』『集中しなくちゃ　今は…』

「蒼竜の側用人」の最新刊、Renta！さんでお借りしました。

ルクルとユリウスが離ればなれになっている展開となっていて、終始ハラハラの第4巻…！！

だけど、どんなに怖くても自分にできる、できる限りのことを懸命に頑張る勇敢なルクルに、

何度も胸を打たれます。手が傷だらけになっても決して泣き言は言わない。ルクルの強さに驚きます。

そして、ユリウスの言葉を思い出し恐怖を乗り越え、『もう平気』と胸を張るルクルがカッコいいです！

震えが止まった手でハイネを治療し、ハイネの心にも寄り添うことができるルクル。

一方的に連れてこられた地でも、ルクルの優しさは何も変わらなくて、

また改めてルクルというキャラクターの魅力を感じました。

しかし、ミダの人たちが結構いい人……というか、ルクルに親切だったのが意外です！！

彼らは辛く苦しい思いをして、それをずっと抱え続けてきたのだと分かると、

どうしてもやるせない気持ちになってしまいますね…。

故郷を愛し、故郷を想い、助けられなかった人達がいることへの自責の念―――

ハイネが本当はどんな人なのか明かされると、彼に対するイメージが一気に変わりました。

どうか、ハイネの心にも救いがあるといいなぁ……なんて、これからの展開に期待してしまいます。

また、だんだん竜の姿のハイネが、可愛らしく見えてきてしまうので困ってます。

力を欲し、大きな力を手に入れたユリウス。迷わずルクルを助けに向かってくれて、

思わずキュンとしてしまうのですが、でも竜の力には代償があるのに…！と思うと、

本当に、ハラハラが止まりません。

そんな中メルガドの登場は、頼もしい！！嬉しい！！

人間の姿のユリウスとメルガドが、共に戦うシーンはすごくカッコよくて、ドキドキしちゃいました

すぐに「下手な剣」だと言われてしまう、ちょっと気の毒なユリウスだったけれど……。

ルクルを救うためにユリウスを先に行かせるメルガドは、とっても男前ですよね～

この巻はこれまでと比べて、ユリウスが人間の姿でいるシーンが多く、そういった点でも注目の巻でした。

本当は人であるユリウスが望む幸福は、理想の世界は、とてもささやかなもの。

なのに彼の手には入らなかった世界なんだ…という事実に、ものすごく切なくなってしまったのですが、

だけど、ルクルがいる世界が、ユリウスにとっての「幸せ」になっていて、それは「現実」で、

ルクルの存在のおかげでユリウスが立ち上がれたことに、思わずジーンとしてしまいます。

ユリウスとハイネが激突し、果たしてどんな決着がつくのか、呪いを解く方法はあるのか、

ますます続きが気になって仕方ありません……！

次の5巻が楽しみです！！待ち遠しいです！！

[著]千歳四季