マーガレット 小森 みっこ 先生 著
第19話 3巻
文化祭中に 佑菜と会うことができて、とてもビックリする 日和。
まさか 俺に会いに来てくれた…? と一瞬 喜びを隠せなくなりますが、すぐに その考えを否定してしまいました。
『―――っちがう!!』
『なんでそう思う!! バカ!!』
『多分 先生とか後輩に会いに来たんだろ』
日和に会うべく 佑菜は母校を訪れた…とは知らず、佑菜に対して もう変に期待しないよう 気持ちを抑える日和です。
一方 佑菜は、緊張でドキドキしてしまい うまく喋れません。
それでも、あの日のことを 謝るため、そして「ありがとう」を伝えたくて 頑張ります。
しかし 佑菜が「あのね…」と言った その直後、日和が……
「…確か佑菜さんの学年と 俺等の学年って 先生一緒ですよね?」
「担任の先生って 誰でした?」
『俺に会いに来た訳じゃない だってそうだろ』
『佑菜さんにとって俺は ただの高校生―――』
結局そのまま 日和は、先生に呼ばれて 立ち去ってしまいました。
だけど 佑菜から遠ざかるほど、本当の気持ちが 日和の心に溢れて―――?
『…顔見れた 久しぶりに』
『変わってなかった …いや髪の毛が 少しふわふわしてたな』
『俺の為じゃないって わかってるのに それでも』
『会えて嬉しくて 喜んでる自分がいる』
『夏以来 ずっと会ってなかった 忙しくして 考えない様にしてたのに』
『一瞬で こんなに』
『でもきっと こんなことは』
『佑菜さんはなんにも 知らないんだろ』
……
日和に 何も伝えることができなくて、呆然と立ち尽くす 佑菜…。
だけど、気持ちが折れかけ 諦めそうになったけれど、佑菜は もう一度 勇気を出します。
「恭子…」
「あたし 日和くんに会いに行ってくるね…」
『前にもあったな こうやって 走って会いに行ったの』
『確かあの時も 謝ろうと思って』
『出会った時から 謝ってばかり』
『あの日の夜の日和くんも こんな風に』
『私の事 探してくれてたのかな』
『…日和くん』
『いろんな顔が 浮かんでくる』
『今どこにいる?』
広い学校内を 必死で走り回り、ついに佑菜は 日和を見つけることができて――――――!?