みどりのとまり木 | ネタバレあらすじ | 1話 2話 3話 4話

2020年3月1日

ベツコミ（Betsucomi）　手島ちあ先生　著

1話　第1話

母を亡くし、父親と弟と 3人で暮らしている、女子高生のみどりの日常は、「やらなきゃいけないこと」に縛られています。

仕事で忙しい父からは家事と弟の世話を任され、学校でも何かと人から頼られることが多いのです。

しっかり者のみどりは、それは嫌ではないしむしろ嬉しいけれど… 少し息を抜きたいな、と思っていました。

するとそんなある日、みどりは桜木谷(さきや)さんという、学校の隣の会社に勤めている 27歳の男性と出会います。

最初は彼のことを不審に思っていたのですが、自由を好む桜木谷さんのおかげで、何にも縛られることのない場所へ飛び出すことができたみどり。

桜木谷さんのことが忘れられなくなっているみどりだけど、彼には奥さんが―――！？

我儘を言わずいつも我慢してくれてる弟の藍を、遊園地へ連れていってあげたい、と考えるみどり。

でも、まだ幼い藍と 2人だけで遠出するのは不安だと、悩んでいました。

すると、事情を知った桜木谷さんが「いいよ　ついてくくらいなら」と言ってくれます。

みどりが甘えやすいようにしてくれる優しい桜木谷さんのおかげで、少しハプニングもあったものの、3人で遊園地へ行って楽しい思い出ができました。

そして、ますます桜木谷さんに惹かれていくみどりですが、桜木谷さんには奥さんがいることを知って―――！？

桜木谷さんには奥さんがいると知り、あまりの衝撃に思考がフリーズしてしまうみどり。

しかしそんな中でも、以前桜木谷さんにアドバイスしてもらったことを実行し、友人の麻優と以前にも増して仲良くなれました。

『今までは頑なに　自分のことは自分で全部やらなきゃって思ってけど』

『でも桜木谷さんが　甘えていいんだって言ってくれた』

『少しずつ　変わっていけたらいいな』

　　　……

みどりの想いに気づいている桜木谷さんは、みどりのことを優しく突き放します。

「君はこれからいろんな出会いがあるし　どこにでも行ける　俺はもうどこにも行けない」

絶対に叶うことがないと分かっていても、一度好きになってしまった気持ちは簡単には消えず、苦しむみどり。

そんなある日、みどりのことを桜木谷さんの妹だと思っている青葉さんとの会話で、桜木谷さんの奥さんは病気で亡くなっていることを聞き―――！？

小学5年生のとき母を亡くし、どんどん衰弱していく父の姿を覚えているみどりは、桜木谷さんをひとりにしたくない、という気持ちがありいつもの場所へ行きました。

すると、桜木谷さんはフツーに話しかけてくれたけど……

「桜木谷さんにとっては　ここはどんな場所ですか…？」

「鳥かごの　中」

『踏み込めない　どうしていいかわからない』

『私は　何がしたいんだろう』

　　　……

たまたま知り合ったとある女性に、悩みを聞いてもらったみどり。

その女性は、みどりの心を軽くする言葉をかけてくれます。

『そっか私』

『きっとこうやって誰かに　「好きでいていいんだよ」って　言ってもらいたかったんだ』