ベツコミ（Betsucomi） 手島 ちあ 先生 著
5話 第5話
生きることに前向きになれない 桜木谷さんは、みどりからの好意を 真っ直ぐ受け止めようとはしません。
みどりに 何かしたいと思ったのは、亡くなった妻なら そうすると思ったから、それだけだと 言いました。
「好きになってもらえるほどのことじゃない」
「…でも それでも 私に優しくしてくれたのは 桜木谷さんです」
「私の世界を ひろげてくれたのは 桜木谷さんです…」
「もし 奥さんが いなかったら そうしなかったって 言うなら」
「私は桜木谷さんが 奥さんと出会ってくれて 良かったです…」
『私が 好きになったのは 奥さんと出会った後の 桜木谷さんだ』
「…てゆーか そもそも」
「そんな簡単に やめられるなら 最初から好きになってませんし 何言われたって ちょっとやそっとじゃ 変わらないです…」
「桜木谷さんは もっと そうだと思いますし…」
『ちょっとやそっとじゃ 変わらない』
「…なので 長期戦は 覚悟の上なので！！」
……
望みがなくても 好きだって思ううちは 頑張ろう、と決めた みどり。
そんな折、父親に「会ってほしい人がいるんだ」「…再婚を考えてる人だ」と言われ―――！？
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