Betsucomi 4月号の青楼オペラ36話の感想です
青楼オペラ 第36話 桜小路 かのこ 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
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ネタバレ大丈夫ですか?
単行本派の方、まだ発売されていない 9巻の内容を書いていますので、ご注意ください。
何としてでも 帳簿を手に入れるため、紫ちゃんに 幸綱との仲を取り持ってもらいたい。
だけど、朱音は 紫ちゃんに話をすることができない―――
当然ですよね…。紫ちゃんを お殿様への貢物にする、という事になる頼み事なんて できる訳ないです…。
朱音が たまらっている理由を分かっている上で、「私が説得します」と言った 利一郎は、
帳簿のためだけの話ではなく、「ご寵愛深いお大名」を選ぶことこそが 紫ちゃんのためになると、
紫ちゃんの幸せも含めた上で、嫌な役目を 自ら買って出てくれたのだろうなぁ……なんて思いました。
利一郎が はっきり言ってくれたことで、朱音は ついに決断できた、とも言えますし、
やはり 利一郎は、とても頼りになる男ですね。
しかし、利一郎に頭を下げられる 紫ちゃんの気持ちを考えると、ものすごく 胸が痛みました…。
「かの真堂幸綱様に 三橋兵衛様が お目通りを願っておられます
その際 三橋様が 真堂様にあるお願いをされますので 紫さんにも口添えしてもらいたいのです」
静かに、冷静に、利一郎の頼み事を聞いてくれている 紫ちゃんに対し、
紫ちゃんの気持ちを分かっている利一郎が「真堂様のお側に上がってほしいと申しております」と言う。
とても残酷だと思います……。残酷な事を言っている、と分かっているはずの 利一郎の気持ちを考えると、
読んでいて ますます胸が痛くなってしまいます。
「―――お気の済むまで 手前を いかようにしてもらっても構いません
ですからどうか 聞き届けてくださいませんか このとおりです……!」
利一郎が 必死になって頭を下げている。その状況に 戸惑いを見せず、涙も流さず、
紫ちゃん…、なんてカッコいいのでしょう!!
「大事なお姫様のために 1人の女を踏み台にする いいかえ ぬしがするのは そういうことじゃ」
「ぬしのために ぬしを想って 何も望まず 踏み台になった女のことは 一生涯 忘れんじゃろう
下手に我が儘など叶えさせて その後ろめたさを消してなどやるものか
わっちは 利一どん 一生 ぬしの心に残るんじゃ」
少しだけ 目に浮かんでいる涙が、こらえている涙が 切ないけれど、
笑顔で 利一郎を見下ろし、去って行く 紫ちゃんは、本当に カッコよかったです。
利一郎に「参りました」と言わせることができた、唯一の女、になったのかもしれませんね。
歩きながら、人目をはばからず 涙を流す紫ちゃんだけど、実らなかった恋を嘆いて 泣いているのではなく、
新しい人生に向かっての 区切りの涙なのだろうな、と思えたことが 嬉しかったです。
『泣くのは今生 これっきりじゃ こねぇな気分のいい涙で締め括れるとは
わっちの人生も 捨てたもんではないわえ』
とびきりの笑顔を浮かべて、朱音の望みを叶えてくれた 紫ちゃん。
朱音にとって、紫ちゃんを頼ることは 友情を犠牲にするってことなのだと思っていましたが、
そうではなく 結果的に、紫ちゃんの未来への一歩を お手伝いできた、と言っても いいかもしれません。
朝明野さんの 身請けが決まったことで、廓の順序に従い 紫ちゃんの身請けは日延べとなったけれど、
朱音と親しい人が いっぺんに出て行くこととなって、正直 寂しいなぁ…。
まだ ふた月み月は先ってことだし、朱音だって 年内に足を洗うことは、決めていることですが。
つまり 年内に、朱音と惣右助に 別れの時が来るということで、2人の間に一瞬 切ない空気―――
それから 惣右助には、お姉さんを見つけられないことへの 焦りもあるのでしたね。
「朝明野か… 一時は 俺の姉じゃねぇかと思ったこともあったが」
「知らんと一言 俺の顔見ても 眉一つ動かさずにな
客にならねェ奴ァ来るなと ぴしゃりと追い返される始末だよ」
松阪屋様、ではなく 遠く川越あたりのお大尽への身請けが決まった、朝明野さん。
いつも 本当の心は隠しているような気がする、そんなお方ですし、
朝明野さんが 惣右助のお姉さんだという可能性、十分 ある気がします。
お姉さんを捜し出せず 落ち込んでしまう惣右助だけど、
すぐに 朱音が、惣右助を癒やしてくれていて キュンとしちゃいました
しかし、また すぐ邪魔されてしまう、かわいそうな惣右助……。
―――なんて言ってる場合では ないですね!? 近江屋と松阪屋に 商い停止の命!?
帳簿という 中村の不正の証を手に入れられそうになった、このタイミングでの お沙汰。
偶然ではなく 狙われた、というのは明白で、一体 どうなってしまうのでしょう。
『敵がこちらの目論見に気付いた しかも仲間は誰なのかも知られたということ』
『なぜ… どこから漏れてしまったの』『それとも――― 漏らしたのか』『裏切り者がいる……!?』
本当に 裏切り者がいるのか、いるとしたら それは誰なのか…、次回が 気になって仕方ありません…!!!!
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