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マーガレット 小森 みっこ 先生 著

第17話 3巻

睡蓮高校の 文化祭の日が近づき、人一倍 たくさん働く 日和。

日和と仲の良い 一馬だけが、日和の様子が いつもと違うことに 気がつきました。

一馬
「あのおねぇさんとまた 何かあったんだね」

見抜かれた 日和は 戸惑いつつ、佑菜と会った 最後の日の出来事を 話します。

日和

『気づいたら 張り合ってしまった』

『負けたくないって』

一馬

「うーん仲良い幼なじみとか 異性の友達とか 普通だと思うけどなー」

「でも日和くんが そんな風に思うなんて よっぽどだね」

「剣道の時くらいじゃん」

「それで? おねぇさんに ちょっとイラっとしてしまったと」

今の佑菜さんは 嫌です
日和

「…うん そう」

「…けどさ 何が情けないって」

「俺がこんなに考えた所で  佑菜さんにはまったく関係のない話だって事」

『好きなのは 俺だけど』

『勝手に悩んで 勝手にイライラして』

じっとしていられない 日和は、文化祭の準備を頑張ることで 気持ちを発散させようとしているのです。

そんな日和に 一馬が言いました。

一馬

「恋する日和くんもいいけど 僕等とも青春しよー!!」

「しばらくは おねぇさんに会えないし」

一馬の その言葉が、日和の胸に 突き刺さります……

日和

『…しばらく会えない』

『今までは 何て声かけようかとか どこ行ったら会えるかとか』

『どうやったら佑菜さんと繋がれるか探してたけど』

『それをしないで このまま忙しく時間が流れたら どうなるんだろう』

『…でも 今は』

『次にどうやって動いたらいいか わからないんだ』

   ……

一方 佑菜も、日和のことが気になって仕方ないけれど どうすればいいか分からずにいました。

佑菜

『…日和くん』

『高校の夏休みも とっくに終わって もう9月も後半』

『あれから一度も連絡をとっていない』

今の佑菜さんは 嫌です
『…また 思い出してる』

『当然だよ せっかく… 私の事心配して 来てくれたのに』

『あんな みっともない姿 見せて』

『…変なの 私…』

『嫌ですって言われるの 嫌って思うなんて』

『私は日和くんをフッたんだから  そんなの気にする権利 ないんだから』

『でも…』

佑菜は とても気にしています。日和に ちゃんと謝れなかったこと、そして なにより…

「ありがとう」と 言えなかったことを―――

第18話 3巻

日和に「ありがとう」と伝えるため、恭子と一緒に 睡蓮高校の文化祭へ来ている 佑菜。

聞いていないので 当然、日和は そのことを知りません。

もしかしたら 卒業生の佑菜も来るのではないか…? と、期待する気持ちを 抑えています。

日和

『…いや違う 違う!!』

『あれから1回も 連絡取ってないのに―――』

『なんですぐ そう思う』

『…そう1回も わかってた事だけど』

『本当に俺が動かないと 何もなくなる』

『俺って…』

『―――今日は文化祭だ』

『忙しくしてれば 考えなくていい』

   ……

久しぶりに 母校を訪れたけど、佑菜は とにかく まず、日和に会いたくて そわそわです。

そして 校内に入り 高校生に囲まれていると、制服姿の彼女たちが とても眩しく感じ 「…私達も2年前まで 同じ制服を着て この学校に通ってたのに なんかもう本当に あの子達とは全然 違うな」という気持ちになっていました。

そんな佑菜の言葉を聞いて 恭子は、自分からババくさくなっていないかと ズバッと注意して……

恭子
「日和くんに対しても そうやって線ひいてるのね 高校生って」
佑菜

「そりゃ高校生だもん 年下だと思って私も対応するし」

「やっぱり大学の人達とは違うよ」

『…あ でも』

『高校生とか 年下とか  そんな事 関係なく』

『一緒にいる時 楽しかった』

   ……

佑菜が 日和の姿を見つけた その時、日和は クラスの出し物の お仕事中でした。

佑菜
『日和くんが 高校生活送ってるの はじめて見た』

楽しそうな 日和の姿を、微笑ましく眺めている 佑菜。

しかし、日和が 女子生徒から声をかけられ 穏やかな表情で対応しているところを見ると、佑菜の胸は わずかに痛み――――――!?

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