スミカスミレ11巻の感想です
スミカスミレ 11巻 高梨 みつば 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
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2度目に すみれを若返らせた後、瀕死だった黎を救ってくれた 映画監督の紅林。
彼は すみれの秘密を知ると、意識のない母親を若返らせるよう 脅してきました。
すみれが若返ったことを 暴露させない為、黎は 弱っているにも関わらず、紅林に ついて行ってしまいます。
何としてでも黎を止めたい すみれは、閉じ込められていた場所から 逃げ出し、
突き止めた 紅林の母親がいる病院まで、急ぐのです―――
黎は 自分が何者か、両親にも教えてもらっていないので 知りません。
遙か昔、両親と共に 人里離れた山中で暮らしていた、黎。とある祠が好きで 通っていました。
そこで出会った 正雄という少年。黎は 両親には内緒で、政雄と友達になります。
ここは願い事が叶う祠だと 政雄に教えてもらった黎は、
「神様 もっと人と 仲良くなれますように」と お願いもしました。
しかし、正雄と会っていることを 両親に知られてしまい、反対されてしまいます。
もうひとつの姿を見ると 人の態度は豹変し、襲ってきた過去を 知っているからです。
それでも、黎は 必死に両親を説得し、両親も 分かってくれました。
「…ご先祖様を恨めしく思ってしまいます
元は人だったものを… 過ちを犯した呪いで このような 獣に変わる身体に」
「…そのことは 子供達には伏せておこう その身が 呪われた一族などと 伝えるのは しのびない」
黎と正雄の交流は 何年も続いたけれど、正雄が東京の学校へ行くと 途絶えてしまったのです。
ところが、10年余りが経った頃、黎と雪白が もうひとつの姿に変わるところを、目撃した 正雄。
黎たちは 人に襲われてしまい、両親が 黎と雪白を逃がします。
しかし 逃げた先に待ち構えていたのは、正雄でした。正雄は 黎と白雪を、金に換えるつもりです。
友人だと思っていた正雄に 裏切られたショックで、黎は 人を信じることができなくなりました。
『私が愚かだった 理解り合えないのなら 闘えばいい』
祠の前で 人と闘う決意をしてしまった黎と、人への恐怖で いっぱいの白雪。
すると その時、祠から「お前達を 救ってやろう」と声が―――
「お前たちは ひとりの人間の乙女の願いを叶えるのだ
その願いが成就され 乙女が心から幸せだと感じた時 お前達は この呪いから 自由となるだろう」
襲ってくる人間の手からは 逃れたものの、こうして黎と白雪は 屏風に閉じ込められてしまったのです―――
黎は 紅林の母親に、目を覚ますだけの 生気を与えました。
そして、紅林に「お前の望みが 本当に母の望みなのか 聞いてみろ」と言います。
目覚めた母親の隣で、紅林は震えながら 語りかけました。
「…俺は… あなたを若返らせて… …あなたに もう一度 俺のいない人生を やり直してほしくて…」
「…馬鹿な… ことを… 私のことより 自分のことを考えな… おまえの幸せが 私の幸せだから」
生気を与えすぎて 歩くこともままならない黎を見つけた、すみれ。
すみれに会うために 黎は走り出し、すみれも走ります。
「あなたと一緒に暮らして 人の温かさを知りました
あなたがいない淋しさも 知りました あなたと笑い合うことが なにより幸せな時間だと
喜びも つらさも あなたと分かちあいたい 私は あなたと生きていきたい」
痣が広がり 消えてしまいそうになる黎に触れて、すみれは 黎への想いを伝えるのです。
すると、黎の痣は 完全に消えて、黎は呪いから 自由となりました―――
呪縛を解く「鍵」となる言葉は、「愛してる」だったのですね。
ラストシーンでは、すみれと黎は 家族になっていて、子供もいたので びっくりしました。
とても幸せそうに 穏やかに暮らしてくれていたことが、嬉しすぎます。
真白くんと千明が くっついたことも、おめでとう! の一言ですね。2人が主役の番外編、素敵です!!
それから、最後に収録されている黎主役の おまけまんがも、すごくキュンキュンできて 最高でした
素晴らしい結末を迎えてくれて、大満足の最終巻です