デザート9月号の うるわしの宵の月 1話の感想です
うるわしの宵の月 第1話 やまもり 三香 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
『ひょろりと伸びた体躯 やや低めの声 親ゆずりの男顔』
『滝口 宵 高校一年』
『性別、女。』
宵は その見た目と 紳士的な性格から、女子にモテモテ。
同じ学校の子たちには「王子」と呼ばれ、少女マンガのヒーロー扱いをされています。
優しいから 嫌がったりはしないけど、決して 快く受け入れているわけではありません。
こんな見た目では仕方ない…と 諦めてしまっていました。
ある日、同じ学校の もう1人の「王子」と出会った 宵。市村という先輩、男子です。
初対面の彼に いきなり「あんた めちゃくちゃ美しいな」と言われ、と思いきや ジャージ姿だったため「男?」と聞かれ、宵は 戸惑い、ちょっと失礼すぎると 怒りを感じます。
ともに「王子」と呼ばれていて 学校内では有名な 宵と市村先輩ですが、その日 初めて お互いの存在を知りました。
友人から 宵が女の子だと聞いた 市村先輩は、「……… マジ?」と呟き とても驚いていて―――?
夜 コンビニで、宵は ナンパされている女性店員を助けるため、酔っ払いの男性客に 注意をします。
すると、男が 逆上し、掴みかかってきました。
その時 偶然 助けに現れた、市村先輩。
男を一括して、その場を収めようとしてくれたのは 有り難いけれど……
『こ… この男 王子というより』
『ヤカラじゃないか』
……
絡まれていたのが 宵だと気づき、そちらに気を取られ 油断した市村先輩の背後から、男が 殴りかかろうとします。
それを 制止し、今度は宵が 市村先輩を助けました。
あまりのカッコよさに 思わず、「ぶっ ふ」と吹き出してしまう 市村先輩です。
騒ぎになってしまいそうだったため、市村先輩は 宵の手を引いて、公園へ連れて行きます。
ブランコに 並んで座り、話す 2人。
「やー 何かオレ ちょっと女子の気持ち わかったわ」
「あの瞬間 本当に 王子に見えたもんね」
「……… べつに」
「好きで王子やってるわけじゃないんで」
「―――私は いたって普通のつもりでも」
「周りが勝手に 王子だとか ヒーローだとか そういうふうに 持ち上げてるだけで…」
「いいじゃん 王子でも」
「べつに女子が皆 淑やかである必要なくね?」
「たまには王子っぽい女の子がいたっていいでしょ」
「実際さっきのアレ めちゃくちゃ ときめいたし オレ」
『何だろう』
『肯定されて 嬉しいときって こんなに胸が ざわつくんだ』
…………
市村先輩に お姫さま抱っこされて、真っ赤な顔で照れる 宵は、まさに少女マンガのヒロイン でしたよね!!
そうして 宵の可愛さにも 気づいた市村先輩は、宵のことを 本気で好きになったのでしょうね。
「めっちゃいいじゃん」「むしろ宵ちゃんのこと 気になってるし」という彼の言葉は 軽く聞こえるけど、表情を見れば 本気だってことが ちゃんと分かります!
王子(男子)に言い寄られる 王子(女子)、2人の関係は 今後どうなっていくのか、とっても 楽しみです!!