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ベツコミ3月号の コールドゲーム 13話の感想です

コールドゲーム 第13話 和泉 かねよし 先生 著

ネタバレありの感想ですので、ご注意ください!

アルナは アーサーに「無駄どころか 厄介なだけだ」と言われようと、自分1人でも カミラの遺体を捜します。

当分“アルナ”の死は 外交上 伏せておくべきで、遺体捜しをして 目立ってしまっては 不都合。分かっているけれど それでも、捜さずにはいられないのです。

『―――あの男は  カミラをアルナだと 微塵も疑っていなかった』

『カミラはなぜ「私はアルナではない」と命乞いをしなかったのだろう 信じてもらえるかは おいておいても』

『それが頭から離れない』

   ……

エドが、主を殺されたスミレを 国に帰してやる気はないのか? と アーサーに尋ねます。すると アーサーは……

「はっ」「まさか」「あれを手元から放す気はない」

「そもそも スミレとは 何者だ?  なぜ この国に来た」

「そりゃ…国から連れてこれるのが 女一人きりだったから アルナ様の護衛として女騎士が

「おいおい そんなこと本気で信じてないよな?」

「王家に嫁ぐ娘が連れてくる侍女は だいたい2種類に分かれる」

「ひとつ 醜女」「ふたつ 美女」

「ひとつ目は もちろん 女主人のひきたて役 ふたつ目は 王が女主人を気に入らなかった場合の代わりだ どんな形でも 王をつなぎとめるためのな」

「……さて そこでスミレだ」

「あれは どちらにも あてはまらない」

「どう見ても 女主人より美しいのに 侍女ではなく 男装の騎士としてあらわれた」

「女が男装をするなど 教会に異端と吊し上げられる危険があるのにだ」

B国はアルナを差し出すことに 乗り気ではなかったが それ以上にスミレも 差し出したくないらしい」

「なぜだ…?  あいつは 何者だ?」

「それがはっきりするまで 俺があれから目を離すことはない」

「……  あっそ」

「でも それは何かと鍛えてやったり 助けてやってる理由には ならねーんじゃねーの?」

「あんたさ… “陛下?”アーサー様?まぁなんでもいいや」「賢すぎるんだよ」

「王様って生い立ちから しゃーねぇ部分あると思うが 何かと裏を読んで 絶対に陥れられないようにしてる ハリネズミみたいだ  単純な感情にまで 理由づけしてんじゃねーよ」

「あんた わりかし本気で スミレのこと好きだろ それだけのことだ」

「好きなのに わざときついことを言って距離を取ろうとする」

「やめとけ  いつか本当に 隣に人がいなくなるぜ」

「なんというか… 悪いことを考えているほうが 楽なんだ」

「裏切られるなら… 最初から好きにならないほうがいい」

「愛が与えられないなら 期待しないほうが楽だ」

「失うくらいなら…  ………

「誰かを愛するのは  とても  こわい」

   ……

一応 時の王家の血の流れを汲む家柄ではあったものの、良い暮らしとは言えなかった カミラ。

せまい領地の 小さな古い館に住み、なんの才能もないからこそ 血筋だけを自慢にしているような兄のせいで、婚期は遅れるばかり

そんな時に、カミラは 城へと呼ばれ、アルナと出会ったのです。

自分とは 何もかもが違う 美しい姫君のことを、『私の運命の人』と思います。

アルナと入れ替わって E国に入ることは 恐怖だったけれど、誰もが憧れるであろう アルナの一番の友人になれることを、とても幸運だと感じました。

『私の運命の相手は アルナ様です  でも』

『アルナ様にとっての運命とは限らないのです』

E国で過ごすうち アルナの周りは華やかな人達で埋めつくされ、私の居場所はなくなっていった、と カミラは考えるように―――

カミラが E国から逃げることを決意したのは、『アルナ様を この危険な国から 逃がしてさしあげねば!!」という思いからです。

しかし 拒否されたことで、アルナに対し 初めて憎しみの感情を抱いた カミラ。

さらには、アルナの怯えた表情を見て 歪んだ喜びを覚えてしまいました。

『はるか高みにいた人を 支配できたような… 自分がものすごく 力があるような…』

『そうよ! 私だっていつまでも なんの取り柄もない 冴えないカミラじゃないのよ  絶対 アルナ様に言う事をきかせて 国に帰るわ  私だって やればできる!』

『だから これは 邪悪な私への 罰なのかもしれません』

騙され 連れられた先で、ロバートに剣を向けられた カミラは、殺される恐怖に 涙します。

それでも、カミラは 自分の正体を明かしませんでした。王妃アルナとして、殺されました。

光り輝く 愛する姫君、アルナを 守るために――――――

結局 遺体は見つけられず……だったけれど、友の想いは消えることなく アルナを見守り続けてくれるのですね。

カミラは弱い人ではなかった 強い人だった、ということが アルナに届いているのだから、アルナを守るため 自ら犠牲になった カミラの死は、充分とは言えないけど 報われてくれたと思います。

そして、人を愛することを怖がり 重い闇を纏っている アーサーが、言い方はヒドイけど 遺体捜しに協力してくれて、最後には アルナの言葉を否定せず そっと寄り添ってくれたこと、ジーンとしました…!!

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