LaLa(ララ)8月号の天堂家物語34話の感想です
天堂家物語 第三十四話 斎藤けん 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
立花さんにお願いして なんとか『鳳城蘭 女学生風』に仕立ててもらい、また 晶とのお茶会に向かった らん。
前回 言われたとおり、晶と同じ髪型にして来たのです。
そして、先に茶会の場へ到着した らんは、この後のことについて 思考を巡らせ…
『…さて』『 ど う し よ う …… 』
『偽物だと バレていることも こちらだけ 弱みを握られているのも とても まずい』
『かんしょうえの時のことも 言ってないのに このことがバレたら 離れを追い出されるかもしれない』
『今日は晶様に 私のことを 他の人に話さない様に 頼んでみよう』
『頼んでも駄目だったら 力ずくでお願いしよう』
『晶様は いろいろ知っていて 賢そうだ』
『仲良くなれたら きっと雅人様の役に立てる―――』
しかし この日、茶会に来たのは 本物の晶でした。
隣の部屋に 晶の使用人がいるため 力ずくは不可能ですし、晶は 周と違い、らんと向かい合っても「仲良くなりたい」などという態度は いっさい見せません。
前回のお茶会では あんなに喋っていたのに、なぜ 今日は喋ってくれないのか。
その理由が分からない らんは 戸惑います。
うかつに こちらから喋りかけるわけにもいかず、し――――――ん と気まずい空気が流れました。
固まって 動かない らんを、きつく睨む 晶。どうやら、出されたお茶を らんが飲まないことが 不満らしく……?
少しすると 晶は ため息をつき、急に喋りだして 自分のことを語り始めます。
「庶民育ちだと聞いていたのに あまりに美しくて高潔で 驚いたの」
「お祖母様は “貴人の生き写しだ”と泣き崩れて お父様は 真っ青になっていたわ」
「お兄様は 周囲の動揺など気にもせず 堂々と私達を値踏みした」
「背筋が凍る程 美しい目で すべての闇を見透かす様な」
「まるで お兄様は冥府から来た執行人で 私達は 断罪される咎人の様だった」
晶が 一方的に話し終えると、再び しん…とした空気に戻ります。
でも、晶の話に『大体わかる!!』『私も 初めて雅人様を見た時 同じことを感じた――』と共感した らんは、今度は自分から 話しかけようとしました。
ところが、晶は らんの話に興味がないのか 遮られてしまい―――
念のため 飲食物には手をつけず、勧められたら 理由を告げて断るように、立花さんに教えられている らん。
その教えの通りに しようとしたのですが…、「私のお茶が飲めないというの…?」と言って 睨んでくる晶の目力に負け、思わず「飲みます」と答えてしまいます。
素直に従うわけにいかず 困っていた らんですが、たまたまカップを倒したことで 飲まずに済みました。
ただ 晶から、ものすごく顔で「次 同じことしたら 承知しないわよ…!!」なんて 怒られてしまい、「ご ごめんなさい」と謝るしかない らんでした……。
今回のお茶会の内容も、らんは 雅人に 正確な報告をします。
「―――という感じで 手の甲を抓られました」
「前回とは別人の様でした 別の人格だったのかもしれません」
「そうでしょうか」
「“仲良くなりたい”と言われたのに 嫌われてしまって 悲しいです」
とても残念そうに落ち込む らんを見て、少しの間 黙考した 雅人は、急に「どこを抓られたって?」と問いかけました。
そして、らんが「このへん です」と答え 自分の左手の甲を 指さすと、その箇所に キスをする 雅人…!!
らんの顔は 真っ赤になり、心臓は 激しく高鳴っています――――――
ご褒美にキスだなんて!! そんなの 好きな人にしかしないですよ、らんー!!
少なくとも 雅人は、相手が らんじゃなきゃ、絶対に そんなこと しようとも思わなかったはず。
らんへの独占欲や愛情を 行動で示す雅人の大胆さに、読んでいるこちらも ドキドキが止まりませんね~
さて――― 周の勝手な真似を禁止し らんとの2回目のお茶会に行った 本物の晶、やはり 飲み物に薬を入れていましたか…。
周に「まだ使うな」と言われた薬を使い そして失敗する晶からは、以前からですけど 周ほどの不気味な感じや脅威さは 感じないので、そういう意味では 周が表に出てこないのは 雅人にとって 都合がいいような気がします。
でも らんとしては、いろいろ知っていて賢そうな 周と話したいところ。
双子の正体を知り 秘密を握っているのは 周のほうだと、らんも把握することができたら いいのですが……。
この後どうなっていくのか ますます気になりますね。次号9月号の第35話を 早く読みたくて仕方ありません。