LaLa(ララ)1月号の天堂家物語39話の感想です
天堂家物語 第三十九話 斎藤けん 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
天堂家で 何が起こっているのか、現在の 雅人の立場について、分かりやすく らんに説明する、周。
鋭い 周は、雅人の目的が 財産ではなく 母親を殺した犯人を捜すことだと、察しています。
そもそも雅人には 家を継ぐ気など無い、と 見抜いているのです。
「2年前の事件の犯人の意図は 知らないが」
「結果的に 天堂雅人は 跡目争いに取り込まれることになった」
「さらに 観薔会で祖母が死に」
「実質的に家を取り仕切る者を失って 今 家の中は 酷く混乱している」
「そこで 鳳城蘭の失踪だ」
「“婚約者と共に姿を消した 使用人は 隼人と関わりのある者だ”と」
「偽りの情報を 雅人に渡して お前を攫ったのは隼人だと 思わせる」
「操の言いなりの お兄様も 流石に 黙ってはいないだろう」
「動く口実を 与えてやるんだ」
不安定な土台の上で お家騒動は加速し、この家は 滅茶苦茶になる―――
そして その隙に 晶と家を出ることが 周の目的、と 明かされました。
「俺一人なら いつでも出れるが」
「晶を家から出したいんだ」
「ここにいると 死んじまいそうだからな」
……
らんを利用する気でいる 周は、らんの拘束を 少しも緩めてくれません。
何とか逃げ出そうと試みる らんですが……、やはり 失敗してしまいました。
そして また、あの お香を 嗅がされてしまいます。
すると、周は「薬が効くまで 俺の話をしよう」と言い、昔のことを 語り始めたのです。
自分たち双子を 毛嫌いしていた母親が 晶を間引こうとした時、周が騒いで 防ぎ、祖母の家に 預けられたこと。
しかし 祖母の教育方針に反駁したら、自分だけ 離れに隔離されてしまったこと。
祖母が寄越した いかれた家庭教師から 晶を遠ざけるため、自分を選ぶよう 仕向けたこと―――
「しばらくすると やはり晶も欲しい と言うから」
「殺すことにした」
「晶もあいつを嫌っていたから 丁度良かった」
「俺は一人で やるつもりだったのに 晶も勝手に ついてきた」
「子供だと侮っていたんだろう 呆気無いものだったよ」
「月の綺麗な 静かな夜で 悲鳴も井戸に 吸い込まれていった」
「晶は 震える手で 俺の手を握って」
「“2人でやった”と 言ったんだ だから罪も 半分こだと」
「可愛いだろう」
「俺を守っているつもりなんだ だから俺は 自分のものだと」
「そのくせ俺を 恐れている 俺がいないと 何もできないからな」
「逃げられないから 俺を 愛している」
「俺も 美しい姉を 愛している」
「無知で 高慢で 汚れない 美しい俺だ」
「誰にも 侵させるものか」