Betsucomi 6月号のクイーンズ・クオリティ23話の感想です
クイーンズ・クオリティ 第23話 最富 キョウスケ 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
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ネタバレ大丈夫ですか?
単行本派の方、まだ発売されていない 5巻の内容を書いていますので、ご注意ください。
玖太郎が文の志のために 冷たさと傷みに耐える中で、明かされる アタルの哀しい記憶―――
アタルの記憶を閉じ込めた檻の中には、本当は 悪意ではない「別の何か」が隠されている。
それは「るみちゃん」という、大切な女の子を 守れなかった苦しみに耐えられず、
彼女の記憶を 嘘だらけにして、ねじまげて、思い出さないようにしていた結果だったのですね。
「でも でもさ 苦しくても覚えていたいよ おれの中から いなくならないで るみちゃん」
本当に、辛く 苦しく 哀しい記憶だったけれど、文が さらけ出すように命じたから、
アタルは思い出し、気付き、乗り越えることができていました。
「この悪意だったものの 本来の姿は あなたの悲しみと後悔と 彼女への愛です」
核を失い暴走しようとする悪意を ただ消滅させるだけでは、なぜダメなのか?
本当は 悪意なんかではなく、「彼女への想い」という美しい感情が 本来の姿だから…って事でしょうか。
『悪意を元の 本来の感情に還元し 生かして救う これが文の 鈍色の女王の 奇跡の力』
奇跡の力を見せた文と、文の志を守った玖太郎、2人のおかげで アタルの救済は無事に成功ですね!!
しかし…、アタルの子供の頃の記憶は かなり謎も多いような……。
彼がいた「施設」というのは 普通の孤児院などではなく、ムシがついている子供を集めて、
「ムシ遣い」や「女王」を生み出すことを目的とした 実験施設!?
アタルは「ムシ遣い」になる素質、るみちゃんは「女王」になる素質を見込まれて、
2人は 特別扱いを受けていた…???
そして その特別扱いを他の子たちに妬まれたことにより、
自然と 2人の間にだけ、特別な絆が生まれていったのだと思います。
辛い訓練、いじめられてしまう日々、アタルと るみちゃんは、
お互いを支えにして 耐えていたのでしょうね……。
「約束してね アタル 私が悪い女王さまに なりかけたら ちゃんと叱って
私も約束するわ ずっとアタルの そばにいて 守ってあげる だから」
あたしたち2人で この世界を きれいで優しい世界にしよう」
友情と、信頼と、同志と、そして 恋心と―――
アタルと るみちゃんの絆は、様々な感情で結ばれていたのかなぁ…、なんて気がしました。
能力開発の実験を行う 主たる人物は、あの「ハジメ先生」で間違いないと思いますが、
優しい顔をして 子供たちを利用する、その目的とは 一体!?
アタルが「ムシ遣い」として目覚める為に、るみちゃんを 切り捨てたようにも取れる気がするのですが…。
「黒の女王」になってしまった るみちゃんが、他の子供を殺してしまい、アタルだけでも殺させないため
身を投げてしまったこと……、ハジメ先生にとって 予定外のことだったでしょうか?
「ごめんね アタル ずっと守ってあげるって 約束したのに
でもアタルは 約束 守ってくれたね ありがとう」
目の前で るみちゃんがいなくなってしまう苦しみ、哀しみ―――
ハジメ先生は わざとアタルに味わわせたのでは……、と思ってしまいました。
「…そうか かわいそうに あの子はいなくなっちゃったんだね でも約束したんだろう?おかしいね
どこに行ったんだろうね かわいそうな あの子を 探してあげよう アタルくん
誰かに とられる前に探し出して きみの「ムシ遣い」の力で ちゃんと綺麗な黒い女王にしてあげよう
記憶を失くして どこかにいる きみのだいじな ふみちゃんを」
アタルが「るみちゃん」のことを「ふみちゃん」と勘違いしてしまったのは ハジメ先生のせいで、
そうなると 最初から、るみちゃんは アタルが「ムシ遣い」になるため手に入れる必要があった
「あと一つ あるもの」のためだけに、「黒の女王」へと目覚めさせられ、
さらには 他の子供たちも犠牲になってしまったのでは…!?
ハジメ先生の目的が分からなくても、恐ろしい狂気は伝わってくる中で、
るみちゃんは 最後までアタルを守り、そしてアタルも るみちゃんを覚えていたいと思えたこと―――
切なくて 哀しいけれど、美しい愛だなぁ、と感じることができました。
アタルの救済が成功し、鈍色の女王の奇跡の力を使った文と 傷を負った玖太郎に、
この後 何が待ち構えているのか、次回からの展開も 気になります!!!!