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ベツコミ5月号の クイーンズ・クオリティ 66話の感想です

クイーンズ・クオリティ 第66話 最富 キョウスケ 先生 著

ネタバレありの感想ですので、ご注意ください!

「結構喰ったぞ  玖太郎の魂  異論はないよな 蛇(おれ)の力を使ったんだ」

「贄を喰うなというのなら 当然そうなる  ああそうだ  勘違いをしてるようだけどな」

「俺が贄を喰うんじゃないんだよ  俺は依代から 吸い上げるだけだ  贄を喰うのは」
「依代だ」

「力を使うたび 願を 蛇に喰われて  精神を損なっていく  その欠けた部分を 贄を喰って補うんだよ」

「そのための  依代が生き延びるための 贄だというのに 玖太郎は贄を喰わない  それどころか贄を 守るのだという  ―――となれば」

「玖太郎は確実に 損なっていくだけだ  自分自身が消えていくのを 味わっている」

「どんな気分なんだろうな  ―――さて どうする」

「おまえ次第だぞ 文  もうはじまってしまったんだ  贄であり女王(クイーン)でもある  おまえがこれから どのような―――」

   ……

こわくて さびしくて、わけが わからなくて、なにか… なにかが欲しくて、苦しむ 玖太郎。

しかし、こうなることは 予測していました。

玖太郎と文は わかっていたけれど、それでも 選んだのです。

選ばされる前に 選んだのです。

頼ってくれたことに 嬉しさを感じ、苦しんでいる玖太郎を 支えるため、自分を喰べさせようとする 文。

だけど、玖太郎は 文を喰べることができません。

玖太郎

「だめなんだ 文」

「たぶん俺は今 蛇に試されてる  おまえを喰ったら おしまいなんだ」

玖太郎が 文のことを どれだけ好きでも、玖太郎と文は 別の人間。

なのに 喰べて まざってしまったら、「俺がさいごまで 俺のままである」という願を 玖太郎は みずから穢して、棄てることになってしまいます。

きっと蛇は そんな玖太郎のことを 見限り、絶望して どこかへ消えてしまう―――

そしたら 中途半端に喰われた玖太郎が残るだけ、などという事態を 引き起こさないためには、このまま いくしかありません。

なんとか少しでも 玖太郎が壊れて消えるのを遅らせ、その間に 朱雀のことを何とかするしか……

ところが、文は「やっぱり喰べてください はやく」と 玖太郎に言います。

このままでは手詰まりなので なんとかするべく、玖太郎の中に 一旦 入って、玖太郎に必要な「何か」を つきとめることにしたのです。

それだけ お分けして 戻る。玖太郎さまのためなら やってみせる。

そう言ってくれた 文を信じ、玖太郎は 文の首に噛みつきました―――

玖太郎の中へ入った 文に対し、玖太郎を救う方法はない、と告げる 蛇。

そこの玖太郎が 元にもどることは 二度とない、と ハッキリと……

「もうはじまってしまったんだよ  蛇の宴はな  最後の1人になるまで殺しあう」

「贄を喰えば依代は まあまあ長らえることになってる 喰わせてやってもいいぜ」

「でも玖太郎が 自分を許せなくて 潰れるだろ」

「そんで玖太郎が死んだら 終わりだからな  俺も  おまえらも」

「この世界の人間すべてもな」

「朱雀の蛇が残れば その願は  「ほんとうに美しい世界を」  つまり」

「今ある世界の「法(ダルマ)が 完全に作り変わり 人間が変質する  蛇が掲げる願のとおりに」

「俺以外の だれが残っても 終わりだよ それが嫌なら  文」

「玖太郎を 一秒でも長く 生かしきれ  休ませてやる暇はない」

   ……

一方 朱雀の門では、失敗を犯したセイラが 柳に見捨てられ――――――!?

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