ベツコミ12月号の 青楼オペラ 最終話の感想です
青楼オペラ 最終回 桜小路 かのこ 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
仇討ちのため、吉原の遊女となった 朱音。
真犯人は 元許嫁の誠二郎であることを 突き止め、捕らえることが できましたが、
真実を知った ショックと、誠二郎に言われた「疫病神」という言葉により、朱音は 自分を責めてしまいます。
そんな朱音を、早く 吉原から出してあげたい、早く 俺の側に置いて 忘れさせてあげたい、と思う 惣右助だったのですが…、
なんと そのタイミングで、近江屋に 棄捐令が出されてしまいました。
これでは 朱音の身請け金を用意するなど、到底 不可能。
そのことを知った 朱音は、惣右助に 迷惑をかけたくないため、彼との別れを 決断します。
しかし それでも、惣右助は 諦めません。
惣右助の 力強い愛の言葉を受け、朱音も 2人で共に生きる道を諦めない、と決意して――――――
数年後、菊之丞が主演の芝居『傾城夜明英』が 巷で評判になっていました。
その物語は、主役の朱姫という女性は 武家の出だが不幸が重なって 苦界に落ちるが、
そこで親を殺した 憎き敵を見つけ出し、見事 仇討ちを果たす、という内容。
―――そう、朱音の半生です。
芝居の興業主や脚本家に 本当にあったことを語り、芝居にする権利を 売って、
朱音は 自分で、身請け金を作ったのです。
それを可能にできたのは、興業主との間を取り持って 熱心に説き伏せてくれた、菊之丞のおかげ。
そして その役は、菊之丞の 当たり役となりました。
物語の中では 時代も変えて、朱姫の元になった人物は 特定できないようにしてあります。
朱音は 大門を出たあと、松阪屋様だってのご好意で 養女にしていただき、近江屋に 嫁ぎました。
曙楼の新造 茜も、永倉家長女 朱音も、もう どこにもいません―――
棄捐令で 痛手を負い、潰れてしまった 札差は、いくつもあったようです。
だけど、近江屋が 仲間内を盛り立て、立て直しを図りました。
そして その後、惣右助が店を継いた 近江屋は、以前のように 順調に経営できているのでしょう。
真木村先生は、相変わらず 医師とお庭番 2つの顔を持っています。
さらには 出世を果たし、これから ますます、忙しい日々を過ごすことになるようです。
利一郎は、寺に戻らず 近江屋の奉公人になりました。しかし、利一郎の主は 朱音だけ。
朱音を「内儀さん」と呼ぶようになった 今も、朱音の手助けをしてくれています。
新造だった頃 朱音とはライバル関係だった 紫ちゃんは、大門の外まで評判が立つほどの 花魁になっていました。
お大名の側室に上がる予定だったけれど、向こうの都合で 身請け話は なくなったのです。
その時、紫ちゃんは ホッとした様子で、朱音に言いました。
「ほんに良かった 光君一人を ただ待つのみの 紫の上は性に合いんせん 望むのは
わっちを巡って 男たちが争う かぐや姫じゃ」
朱音と 惣右助は、次々 子宝に恵まれ、時には喧嘩もするけれど 仲良く過ごしています。
『空に雲 地には人が 行き交う 照る日も 降る日も ある天地の 私は ここにいる』
たくさんの苦難を乗り越え、朱音と惣右助が 共に生き、幸せな毎日を過ごしている姿を 見ることができて、
本当に 本当に、本当に 嬉しいです!!!!
夫婦となっても 変わらず、ラブラブな2人の やり取りには、とっても キュンキュンしました
朱音と惣右助の長女 初音ちゃんは、きっと 朝明野さんに 似ているのですね。
父親似の娘を見て、幼き日の 姉の面影を、惣右助は 感じ取ったのでしょう。
子供たちが もう少し大きくなったら、遠出をして 朝明野さんに会いに行きたい、と言った 朱音。
「私たちが 今こうして 幸せに暮らしている姿を 見せたいのよ」
その願いが叶った時、朱音や惣右助や 2人の周りの人たちの幸せは、さらに広がっていくのだなぁ…、と想像して、
思わず 涙が出てしまいました。ものすごく 感動しました!!
素晴らしい 結末を迎えた、朱音と惣右助の物語。見事な終演です!!!!