マーガレット 小森 みっこ 先生 著
第7話 2巻
文武両道、高校2年生の日和は 明日から夏休みに入ります。
剣道に打ち込む 日和にとって、夏といえば 部活に大会。……だったのですが 今年は―――
学校でも 年上の好きな人のことが頭から離れず、彼女のことばかり考えてしまう 日和。
「この夏 初カレと花火大会へ行く」と浮かれている友達との会話中も やっぱり、思い浮かぶのは 佑菜のことでした。
『佑菜さんの連絡先… 交換はしたんだけど』
『…けど何かをしている訳じゃない たまに獅子丸の写真を 送ったりするだけで』
『文面から すごく喜んでいると …思うけど』
『ちゃんと 喜んでいる顔が見れたらな』
『何度かこのスーパーの前を通ったりしてるけど』
『あれから一度も ココで会えた事はない』
『花火大会… そういえば俺も あんまり行った事がないな』
『剣道場で稽古をしていると聞こえてくる どこかで鳴ってる打ち上げ花火の音』
『それが夏の思い出』
『子供の頃みた打ち上げ花火は 最初の方だけ はしゃいで すぐに飽きてたんだけど』
『今だと違って みえるのかな』
『それが もし』
『佑菜さんと だったら』
『色も光も 全然違ってみえるのかな …一緒に行けたら』
『…花火大会は 8月10日だったな』
『部活も休みの頃だ』
『…なんて言おうか』
『「8月10日 空いてますか?」 「花火好きですか?」』
『こんな風に誘うの はじめてだ 難しいし 緊張する』
『…でも言うんだ』
……
そう決めた矢先 幸運にも、いつものスーパーから出てくる 佑菜を見つけた、日和。
急いで走って 追いかけ、声をかけます。会いたくて仕方なかった気持ちは 隠して。
そして 意を決し「花火大会 行きませんか? 一緒に」と誘おうと…したのだけれど…、言えませんでした。
「え? 人によるけど… まあ期間は長いし」
「あたしとかは バイト増やすけどね」
だけど その後 すぐ、佑菜から 嬉しい言葉が!!
「あっ そうだ日和くん コレあげる」
「シューエーランドの割引券!」
「…うんっ 半額になるよ アトラクションとプール」
「私ここでバイトするの」
「妹にあげようと思ってたんだけど 私日和くんに色々 お世話になってるし」
「気前よく無料券! って訳じゃないんだけど…」
「良かったら使って 息ぬきしてね」
『夏休みも会える』
『…よし。』
『まだ チャンスはある』
―――ただ、いつの間にか その場にいた 日和の友人たちも、佑菜のバイト先へ 一緒に行くことになってしまい……!?