Cheese!(チーズ)12月号の 王の獣 10話の感想です
王の獣 第10回 藤間 麗 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
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ネタバレ大丈夫ですか?
単行本派の方、まだ発売されていない 3巻の内容を書いていますので、ご注意ください。
藍月は 夢を見ます。子供の姿の自分が、今の自分を追い詰めてくる 嫌な夢です―――
「本当は信じきれても いないのに 従順なふりして 居心地のいい場所に いればいい
まやかしの希望に 胸躍らせて 息継ぎしてれば いいんだよ
そのために 彼に捕まってあげたんだよね」
違う!! と 強く否定した瞬間、目を覚ました 藍月。疲れた顔をしています…。
毒は抜けたため 弓矢の鍛錬を行う藍月に、大博が 話しかけました。
茶会で毒を仕込んだ犯人は 恐らく見つからないだろう、と告げます。
「……大博様は 誰が怪しいと…?」
「第三皇子 あくまで私の考えだ 気を抜くなよ」
「…はい」
犯人は 誰かの命を狙ったわけではなく、騒ぎにしたかっただけのようですが……?
天耀に触れられることを、藍月は 避けるようになってしまいました。
そして、夜に また、子供の姿の自分が出てくる 嫌な夢を見ます。
「ねえ 本当に信じてる? あの優しい皇子様が 蘇月を殺した犯人を 罰してくれると 本当に思う?
きっと皇族の誰か… 彼と近しい皇子兄弟が 犯人なのに
自分の命を取りに来た 亜人すらも… 受け入れてしまう人なのに
そんな皇子様が 兄弟を糾弾し 罰してくれる?
本当はあんたも そう思ってるんだよね? だから信じきれないで 不安になるの 疑うの
そうやって 信じたふりして 疑っていたいんでしょ
いつか裏切られた時に それ見たことかって 自分に言い訳するため
なんて 狡い子―――…」
藍月には 何も告げず、早朝から どこかへ行ってしまった、天耀。
夜に戻って来ていたけれど、翌日の早朝 また出かけようとしている天耀のことを、
急いで駆けつけた藍月が とても寂しそうな目で見ていると―――
「……… …来るか? 藍月」
「はい!」
向かった先は、蘇月の墓でした。天耀は、揺れている藍月を 連れてきて良いものか、迷っていたそうです。
蘇月のため 立派な墓を作ってくれた 天耀に、藍月は 謝ります…。しかし、その理由は 言えません。
『…言えない 言いたくない あなたはこんなに眩しいほどなのに 僕は薄暗い所から抜け出せない
…いやだ いやだ こんな自分が たまらなく嫌だ
こんなの僕じゃない でも戻れない どうしたらいいのか わからない
あんな不詳な夢を見る奴なんか その手に触れてもらう 資格がない』
藍月を心配して 手を伸ばしてくれる 天耀ですが、その手を 藍月は 振り払い、背中を向けます。
そして、天耀には見えないように 静かに泣いていたけれど―――
天耀は 藍月が泣いていること、すぐに分かったのです。
「やっぱり 泣いていた 存外…と言うべきか…… 涙脆いのだね
話してごらん おまえの思っていること」
苦悩する 藍月に、優しく 温かく、少しだけ 強引に、心を寄せてくれる 天耀は、
皇子として 人として、本当に 素晴らしいお方だなぁ、と思いました。
さらに、蘇月のことを 今も どれほど大事に想ってくれているか、立派なお墓が 証明していますね。
そんな天耀に 藍月は、「思っていること」を 話せるでしょうか……?
切なくて 苦しい展開…。でも きっと、復讐のために生きてきた 藍月を、
他の誰でもなく 天耀が、薄暗い所から 連れ出してくれると思います!!