デザート7月号の うるわしの宵の月 9話の感想です
うるわしの宵の月 第9話 やまもり 三香 先生 著
ネタバレありの感想です。ご注意ください!
自分の気持ちを確認するため 試してみたい、という理由で 宵にキスしようとする 市村先輩…!!
でも 直前で止まり、固まる宵に「いいの? このままだと 本当にするけど」と 問いかけました。
「!」
「ちょ 待っ―――」
「あ」
「ダメだわ」
「餃子、食ってんだった」
市村先輩は 「っぶね~」と呟き、本当に焦った顔で 口を手で覆っています。
宵も 自分の臭いを気にしつつ……
『私』
『いま』
『なにを――――――』
我に返り、耳まで真っ赤になる 宵。
当然 もうキスをするような空気では ないです。
だけど まだ、この日の ふたりきりの時間が 終わったわけではありません!
「でさ」
「オレとしては ここまでの流れ こわしたくないんだけど」
「どうすかね?」
「このまま 手ぇぐらい つないでも いいっスか?」
「はい」
「嫌なら つながない」
また 男の子同士って間違われるかも… と気にして躊躇する 宵の手を取り、市村先輩は「オレ、そういうの どうでもいい」と言います。
そうして ふたりは、そのまま手をつないで 残りの帰り道を歩いたのでした―――
『最初は 「苦手」』
『いつの間にか「平気」 「悪い人じゃない」 「嫌ではない、かも」』
『自分の気持ちも 定かじゃない』
『…のに』
『私』
『先輩に ちゃんと好きになって欲しいって 思ってる』
『美しいとか 欲しいとか そういうのじゃなくて』
『ちゃんと』
『目を見て言ってくれたら』
……
『あん時』
『なーんか できなかったんだよな』
……
翌日、登校早々 市村先輩と会った 宵は、市村先輩の顔を まともに見ることができません。
逃げるように 立ち去るのですが――― 追いかけきた市村先輩に 壁ドンで追いやられます。
その時、顔を逸らして うつむく宵の首に、髪の毛がついていることに ふと気づいた 市村先輩。
手を伸ばして 取ってあげました。
しかし 突然だったため、ビックリした宵は 過剰に反応してしまい……
「また キスされるかと思った?」
「安心してよ」
「さすがにもう しないから」
「言ったじゃん」
「宵ちゃんの嫌がることはしないって」
『嫌?』
『私は』
『嫌だったのかな? 昨日も さっきも ほんとに?』
『ほんとに?』
市村先輩が「…じゃあ オレ そろそろ―――」と言って 立ち去ろうとします。
すると、市村先輩の服を掴んで 引き止める 宵。
真っ赤になりながら 必死に、なんとか 自分の気持ちを伝えようとするのですが――――――!?